日本科学未来館は、未来館などが開発を進める視覚障害者向け自律型誘導ロボット『AIスーツケース』で初めて、最寄り駅改札から未来館の建物内をシームレスに誘導するとともに、未来館1階を体験者が一人で自由にAIスーツケースを利用する実証テストを行う。9月15日㈮か24日㈰に視覚障害者を含む市民らを対象に、東京都とDigitalInnovation City協議会(DIC協議会)の推進する実証プロジェクトの一環として行われるもの。
『AIスーツケース』は視覚障害者を目的地まで誘導するスーツケース型ロボット。視覚障害者の生活を変える技術を研究開発するコンソーシアム「日本科学未来館アクセシビリティラボ」が、一般社団法人次世代移動支援技術開発コンソーシアムなどの外部の研究機関と共同で開発している。
これまで未来館や新千歳空港などの屋内施設に加え、今年1月に初めて未来館から最寄り駅付近までの屋外実証テストを成功させた。今回は社会実装に向けた更なる取り組みとして、①屋外と屋内のシームレスな自律誘導の実現、②施設内での利用者のみの自由体験をテストする。
①は公共交通機関と施設内部との間を一気通貫で誘導することを想定した技術開発。屋外と屋内でそれぞれ異なる自己位置推定技術をシームレスに接続するシステムを独自開発し、利用者を屋外と屋内の境目なく誘導する。
②は施設内でより多くの人々にAIスーツケースを利用してもらう運用に向けたステップ。これまでエンジニアスタッフがAIスーツケースに付き添い動作状況を確認していたが、今回は使用方法の説明後は利用者自身が目的地を設定し、館内を一人で移動する運用を検証する。
実証テスト後にはユーザーアンケートに協力してもらい、未来館では意見を今後の研究開発に生かすこととしている。
今回の取り組みは、アートプロジェクト実行委員会が主催する「ARTBAY TOKYO アートフェスティバル 2023」のプログラムの一つとして実施される(参考: https://artbayfes2023.com/)。