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東大、授業料64万2960円に値上げ案 支援も拡充 総長「優秀なら東大で学べる伝統も重視」

東京大学の藤井輝夫総長

東京大学は10日、学士と修士・専門職過程の授業料の改定案を発表した。現行の53万5800円から64万2960円に改定する。学士は来年度入学者から、修士・専門職は2029年4月から適用するという。博士課程の改定はない。13.5億円の増収が想定されている。学内の会議を経て、今月中には正式に決定する。

東大は2025年入学者から授業料を約10万円増額する。増額分は学習支援システムの強化や図書館機能の強化、バリアフリーの充実などに用いられる。一方で、学生支援の拡充も行う。世帯年収600~900万円以下の場合に、授業料の一部を免除するなど学生支援を拡大する。あわせて、個別事情に配慮した仕組みも整えるとしている。

「経済的に貧しくとも、優秀であれば東京大学で学べる」という伝統のある東大では、学生からの反発も相次いでいる。藤井輝夫(ふじいてるお)総長は「伝統は引き続き重視しないといけない」とし「学生支援の仕組みは早急に整備したい」と話している。