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第三者委「理事長としての適格性なし」 東京女子医大、第三者委答申検討会を新設

東京女子医大

東京女子医科大学は2日、不正の有無の調査を目的とした第三者委員会の報告書をホームページに公開。運営体制を見直す「第三者委員会答申検討委員会」を立ち上げると発表した。同日に開かれた報告について説明する記者会見で委員会は「独立性、客観性のある人が動かしていかないと未来はない」と強調している。

報告書によると、東京女子医大は推薦入試で寄付金をポイント換算する推薦入試を2018年から実施。採用や入学、昇進などにおいて、金額を評価の対象としていた。それによる採用順位の変動も確認されたという。

委員会は「ポイント制度が寄付を強いる制度になっていたと認めざるを得ず、公正かつ厳格・適切なものであったと評価することはできない」と指摘している。

また、岩本絹子理事長の知人が勤務していた事務所に同大の同窓会「至誠会」の関連施設の管理業務を委託したが、実際には管理業務を別会社に実施させて、報酬として払われる金額を岩本理事長が経営する医院の関係者に支払っているとされた。委員会は「事実であれば岩本氏関係者による不正行為と認定できる」と示した。

竹内朗副委員長は「理事長としての適格性が備わっていたのか疑問と言わざるをえない」と非難。また、三木義一委員は「日本の私立学校の少なからぬ大学が、職務遂行を監督すべき理事会をおいている。だが、理事長個人が会の意見を決めているところがあり、本来の自浄機能を発揮できていない」と話した。