文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
山形大の玉手英利学長「授業料引き上げでなく、教育の機会均等に向けた議論を」

山形大学の玉手英利学長は、「高等教育の在り方について、いま議論すべきこと」という所感を表明している。国立大学の授業料の値上げについて、地域格差への視点が欠けていると指摘した。

玉手学長は東京都では大学進学率が70%を超える一方で、山形県など東北各県では40%にとどまると説明した。所得格差が教育機会の格差を生む一因になっていると説明し、その中で、受益者負担で教育の質を高める考え方が広まることに危機感を覚えると主張している。

社会全体で議論すべきは授業料の引き上げではなく「教育の機会均等に向けた公費の拡大である」と指摘。特に「所得格差に対しては奨学金制度の拡充、地域格差に対しては人口減少地域の教育を支える国公私立大学や専修学校への一層の財政的支援が、議論されるべきだ」とした。