順天堂大学
ヤクルト本社は20日、順天堂大学大学院医学研究科内に寄付講座「消化管疾患病態研究・治療学講座」を今年度から開設したと発表した。機能性消化管疾患の症状や生活の質に対する、腸内環境を整える「プロバイオティクス」の効果と作用機序の解明を目指した研究をしていく。
機能性消化管疾患は、異常が認められないにもかかわらず腹部の不快な症状が持続する病態とされる。「機能性ディスペプシア」や「過敏性腸症候群」などが含まれる。国民の1割がり患しているとされ、治療法が確立されておらず方法の策定が大きな課題となっている。
講座ではプロバイオティクスの摂取が機能性消化管疾患の患者にどのような影響をもたらすかを研究する。「機能性消化管疾患の病態メカニズムの解析」と「プロバイオティクスを利用した新たな治療法と作用メカニズムの解明」をしていく予定だ。
ヤクルトは「プロバイオティクスによる消化管症状改善の作用機序が明らかになれば、病態の理解促進につながり、腸内フローラや腸内環境を基軸とした新たな治療・予防戦略を見いだせる可能性がある」と説明している。