東北大学の正宗淳教授らと医療機器などを扱うバイタルネットのグループは、難病である「炎症性腸疾患(IBD)」の患者と医師、薬剤師を結ぶアプリ「おくすりあうん」を開発し、同社で23日から提供を開始している。
IBDはクローン病と潰瘍(かいよう)性大腸炎に大別される原因不明の消化器官に炎症を起こす病。日本では約29万人の患者が治療を受けている。IBD治療薬の増加に伴って選択肢は増えたが、医師と薬剤師、患者が共通のコミュニケーションをとれていないため薬の在庫がなかったり、適切な服薬指導がとれなかったりしている。
おくすりあうんでは、チャットを用いて医師と薬剤師、患者のそれぞれが意思疎通できる。処方せん画像を送ることで迅速な薬品準備を可能にし、患者は服薬期間中の体調不良などを気軽に相談することができるという。
グループは今後について「医療従事者間の情報共有と協力を促進し、より効率的で効果的な患者ケアを実現することを目指す」と力を込めている。