早稲田大学と清水建設は14日、カーボンニュートラル社会の実現に向けた包括連携に関する基本協定を締結した。温室効果ガスの排出と吸収量の均衡実現を重要なテーマと位置づけ、社会に貢献する研究開発と牽引する中核人材の育成に取り組む。
両者は今後について「包括連携運営の組織を設置して、先端技術共同研究や人的交流、学術交流などを、清水建設の人財育成拠点『温故創新の森 NOVARE』を中心拠点として展開する」とコメント。「ネットワークを活用しながら他大学、他企業、地域と連携して社会全体への展開を図る」としている。
早稲田大はカーボンニュートラル社会の実現を目指し、2021年11月にカーボンニュートラル宣言を行い、さらにその実現に向けて2022年12月にはカーボンニュートラル社会研究教育センターを設置した。
カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミー等の最先端の研究開発の推進、人材育成、また創立150周年となる2032年を目途に、各キャンパスでのCO2の排出量実質ゼロを実現することとしている。
清水建設は持続可能な社会の実現に向けたグループ環境ビジョン「SHIMZ Beyond Zero 2050」を2021年6月に策定。グループが目指す持続可能な社会を「脱炭素」「資源循環」「自然共生」の三つの視点で捉え、自社活動による負の影響をゼロにするだけでなく、顧客や社会にプラスの環境価値を提供できるよう、研究開発やイノベーション創出に向けた取り組みに注力している。
これまで早稲田大と清水建設は、ZEBやインターバース技術といった分野で共同研究を進めてきた。今回、カーボンニュートラル社会の実現を双方が注力すべき重要なテーマと位置づけ、社会に貢献する研究開発成果の創出と、それを牽引していく中核人材の育成に取り組むこととしている。