大阪大学の満留敬人准教授らは、触媒の性能を低下させる触媒毒である硫黄に高い耐性を示す「リン化ルテニウムナノ粒子」を開発した。硫黄含有アミンを高効率かつ低環境負荷で製造する新規触媒プロセスの開発に貢献しそうだ。
硫黄原子は金属に強く吸着し、触媒能力を失わせる触媒毒となる。そのため、硫黄原子を含むカルボニル化合物のアミノ化反応を促進させることは難しく、高い硫黄耐性をもつ触媒の開発が望まれていた。
研究グループは、直径約5ナノメートルのリン化ルテニウムナノ粒子 (Ru2P/C)が還元的アミノ化反応において、高い活性と硫黄耐性を兼ね備えた固体触媒として機能することを発見した。Ru2P/Cは高い硫黄耐性を有し、高難度反応である硫黄含有カルボニル化合物のアミノ化反応を効率的に促進させる
満留准教授は「これまで硫黄の触媒毒により促進させることが困難であったさまざまな反応に対する有効性を検証していく」とコメントしている。