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ガラス越しレーザー照射でナノ加工 東北大准教授らが実現 新加工法の開発に貢献

東北大学の小澤祐市准教授らの研究グループは、特殊なレーザー光「ベクトルビーム」を使うことで極めて微小かつ高強度の集光点を形成できると明らかにした。これは新たなレーザー微細加工法の開発などにつながりそうだ。

研究グループはベクトルビームによるレーザー加工のため、顕微鏡による観察で使われる「液浸対物レンズ」を用いることを考案。レンズの表面と材料の間を材料と同じ屈折率で満たすことで、材料界面での反射などの効果を無視でき、ベクトルビームが持つ集光スポットを材料中で形成できる。

ガラスの裏面に微小な集光点の形成を試みたところ、ガラスの裏面に極めて微小かつ高強度の集光点を形成できることが分かった。直径67ナノメートルの加工穴を作成し、レーザー光の16分の1程度にできたという。

小澤准教授らは「ガラスのような光に対して透明な材料の裏面側において、従来よりも遥かに小さなスケールでの穴あけや線描画などの加工を可能にする新しいレーザー微細加工法の開発につながる」と講評している。