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非従来型高温超伝導の理論予想が実験に先行 阪大と鳥取大研究Gが解明  40年の水素化物研究の歴史で初

大阪大学の黒木和彦教授らの研究グループは、鳥取大学との共同研究でニッケル酸化物La₃Ni₂O₇について、圧力下で最大超伝導転移温度(Tc)=80Kの高温超伝導が発現する要因を理論的に解明した。La₃Ni₂O₇は、2017年に黒木教授らにより高温超伝導が発現する可能性が指摘されており、今回の研究でそれを裏付けた。

水素化物と銅酸化物や鉄系超伝導の大きな違いは、超伝導の発現機構にある。前者は「従来型超伝導」に属しており、原子の振動が超伝導発現に重要な役割を果たす。それに対し、後者は「非従来型超伝導」と呼ばれ、電子間に働く強い反発力が超伝導発現の起源に深く関わっていると考えられている。

従来型超伝導の理論研究の歴史は古く成熟しているため、水素化物の高圧下高温超伝導は、理論的に予想されてから実験的に実証された。一方、これまで非従来型高温超伝導においては、その膨大な努力にもかかわらず、理論予想が実験に先行した例はなかった。

黒木教授は「史上初の非従来型高温超伝導予想の実証が理論的に裏付けられたことに、深い感慨を覚えている」とコメントしている。