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身体活動が糖尿病リスクを高めることもある? 東大研究Gが明らかに 遺伝的高リスク者は危険度増す

東京大学と自治医科大学、台湾の国立陽明交通大学の国際研究グループは、一般には適度な運動は心血管病を抑制するが、遺伝的に高リスクの糖尿病患者は身体活動による心血管病の保護作用が失われると判明した。更に、高強度の活動はむしろ心血管病のリスクを高めることが示された。

心血管病の高リスク群である糖尿病患者において、体を動かすことによる心血管病の抑制効果が遺伝リスクによって増強したり減弱したりする可能性については、これまで検討されてこなかった。

研究グループはデータベースを用いた解析の結果、糖尿病患者全体では1週間あたりの身体活動が増えるごとに心血管病や心筋梗塞、非致死性の脳卒中などのリスクが1.2%ずつ減弱した。

だが、遺伝的に高リスクの糖尿病患者は身体活動によるリスク抑制効果は失われており、運動することにより危険性が高くなることもあった。

研究グループは「2型糖尿病の遺伝リスクと身体活動が糖尿病患者における心血管病の発症リスクに対して、遺伝と環境が及ぼすメカニズムは現時点で分かっておらず、更なる研究が必要だ」と説明している。