慶應義塾大学の池村修寛研究員らのグループは、不正脈の一種である心房細動の患者の報告する症状と医師の認識のギャップを指摘。最適化のために患者報告指標が有用であることを明らかにしている。
研究グループは330人の新規に通院を開始した心房細動患者を対象に調査を行った。その結果、33.9%は患者の報告と担当医師の認識は一致した。一方で、12.7%の患者が訴えた症状及び健康状態に与えた影響は担当医師に過小評価されていた。また、その他約5割が過大評価であった。
加えて、その認識の不一致が1年後の患者の健康状態に与える影響を調査した。それによると、過少の患者群では正しく認識していた集団と比較して、症状および健康状態に関するスコアが改善しづらいことが分かった。
研究グループは「医師の問診に加えて患者報告指標を診療に取り入れ、患者の声を直接医師に届けることで、より医師-患者間のコミュニケーションが円滑となり、患者のニーズに沿った治療を提供できる可能性を提示した」とコメントしている。