東北大学と中国科学院の研究グループは、マントルの中部と下部に現在のプレート沈み込みと無関係の異方性構造を発見し、約5千万年前の太平洋下部マントルフローの残り物であることが分かった。12日付の「ネイチャー・ジオサイエンス」に掲載されている。
研究グループは地球内部の地震波速度を求める「地震波トモグラフィー法」を用いて1600キロメートルまでの地球の中を伝わるP波速度を解析した。
その結果、深さ700~1600キロメートルのマントル中部に、2つのP波高速度異常体を検出した。1つ目のH1は伊豆―小笠原海溝の下、H2はフィリピン海プレート中心部の下にあったという。これはいまは地表に存在しない「イザナギプレート」の残骸と推測されている。
研究グループは「このような研究を世界の他の地域に展開すれば、地球内部の構造とダイナミクス及び地震などの根本原因に関する理解が大幅に進展する」とコメントしている。