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抗がん剤「レプトマイシンB」などが体の低温耐性を上昇させる 甲南大が武田薬品と明らかに 人に応用できる見込みあり

甲南大学と武田薬品工業㈱の研究チームは、抗がん剤「レプトマイシンB」と「カンプトテシン」が体の低温耐性を増強させることを線虫を使った解析から明らかにした。人にも同じ効果があれば、遠隔地から患者を輸送する際の延命に役立つ可能性がある。

研究チームは線虫を用いて約4000種類の薬剤を使い、低温耐性が強くなる薬剤を見つけ出す解析をした。低体温耐性とは、15度で飼育した虫が2度の環境に移されても生存可能だが、25度で育てた虫は死滅するような現象を指す。

人と発生起源が同じ遺伝子を多く持つ線虫「C.エレガンス」に、レプトマイシンBとカンプトテシンを投与することで低温の耐性が獲得されることを研究チームは明らかにした。

研究チームは「この研究を進めることで、将来、人において同様の現象が存在するのであれば、遠隔地から重篤患者を輸送する際の数時間の低温延命などに役に立つ可能性がある」とコメントしている。