東北大学の松沢厚教授らの研究グループは、パーキンソン病などの原因となる細胞死「パータナトス」の感受性がたんぱく質凝集体の固さによって決定されることを突き止めた。この発見は、神経変性疾患の予防や治療につながりそうだ。
パータナトスは神経変性疾患に関与することが報告されており注目されている。その一方で、パータナトスには多くの不明点が残っている。
研究グループは、カテコール骨格を有する低分子化合物「YM435」のパータナトス抑制作用について解析を行った。その結果、YM435はたんぱく質凝集体の凝集度を低下させ、たんぱく質凝集体が起こすパータナトスを抑制することを発見した。
また、パータナトスを惹起するたんぱく質凝集体は流動性が低く、固体の性質を持つ一方で、YM435を処置すると、液体に変化することが判明した。加えて、ドパミンとL-ドバもパータナトスを抑えられると分かっている。
松沢教授らは「今後はYM435を含むカテコール骨格を有する化合物の神経変性疾患病態モデルにおける有効性を検証し、新たな治療薬への応用につなげたい」とコメントしている。