岡山大学と英エクセター大学の研究グループは、甲虫「オオツノコクヌストモドキ」のオスが羽化後の日齢によって、対戦相手のオスと戦う戦術を変えており、行動様式も変化することを明らかにした。齢によるオス同士の闘争パターンの変化は初発見。

実験では、闘争未経験でサイズと遺伝的背景の均一なオスオオツノコクヌストモドキの２１５対を準備。戦いの激しさおよび闘争時間の長さと日齢の関係を調べた。

その結果、「日齢によって戦いの激しさは変わらないが、若いオスに比べて加齢したオスほど戦いが長くなること」と「若いオスでは闘争の激しさと長さは正の相関を示したが、加齢したオスでは関係性が消えること」が明らかとなっている。

若いオスはエネルギーがあるが、繁殖の見込みから戦いに固執しないが、日齢の進んだオスはその時間が限られるため目前の戦いに個室すると考察された。

研究グループは「私たち人を含めて生物は、『なぜ戦うのか？』そして『どのように戦うのか？』という問いに対して、本研究結果は将来への投資余剰という視点から示唆を与える」とコメントしている。