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形成不全のイモリが切断で完全再生 自然機構基生研・カリフォルニア大が発見 遺伝子レベルで回復

自然科学研究機構基礎生物学研究所(NIBB)と米カリフォルニア工科大学の研究チームは、先天的形成不全になっている「イベリアトゲイモリ」の後肢が、切断による再生で完全回復することを初めて発見した。遺伝子レベルで治癒していると確認されている。

研究チームはゲノム編集を用いて、脊椎動物の器官発生に重要な形態形成遺伝子を破壊して四肢形成不全のイモリを作出した。この形成不全であった後ろ足を切断すると、機能的にも形態的にも正常な足が再生され、遺伝子発現レベルでも確認されたという。

イモリは組織や器官を作る発生遺伝子プログラムとは別の「再生遺伝子プログラム」を有している可能性が示唆されている。

研究グループは「この超再生現象の鍵となる『再生遺伝子プログラム』の詳細な解析が進み、その結果から得られた知見は再生医療研究への大きな貢献が期待される」としている。