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サンマのゲノム情報 遺伝研など4機関が公開 研究の土台としての活用に期待

国立遺伝学研究所と北里大学、理化学研究所、アクアマリンふくしまの研究チームは、サンマの全ゲノム情報を読み取り、多様な分子生物学研究のための情報基盤を整えた。今後の研究の土台として活用されることが期待されている。7日付の国際学術雑誌「DNAリサーチ」に掲載された。

サンマは漁獲量が安定しており、価格も安かったことから、養殖技術は確立されてこなかった。この背景からサンマの生物学的研究はあまりなされていない。また、分子生物学研究の基本となる全ゲノム配列などDNA情報が整備されていなかったことも、進んでいない大きな要因だ。

世界で唯一サンマの継代飼育および展示を成功させた「アクアマリンふくしま」(福島県いわき市)にて陸上水槽内で人工ふ化した成魚を研究に用いた。

まず、一分子リアルタイム(SMRT)塩基読み取り技術による高精度な解析により、このサンマのDNA断片情報を取得。そして、染色体立体配座捕捉法(Hi-C)により、数千万塩基にもなる染色体のDNA配列を再構築した。

研究チームは「得られたサンマのゲノム情報は、外洋でのサンマの集団構造や遺伝的多様性の把握を可能にする」とし「他の生物種との関係や集団の進化的な来歴だけでなく、サンマの種を特徴づける形質の成り立ちを知るために特定の遺伝子の機能を調べる際の基礎情報になる」とコメントしている。