東京農工大学の山本明保准教授らは、人工知能（ＡＩ）の学習手法の１つである深層学習を活用することで、電子顕微鏡の画像からセラミックス材料の高精度な３次元ミクロ構造をモデル化することに初めて成功した。

研究では、深層学習を電子顕微鏡により撮影したミクロ構造画像に応用することで、複雑なセラミックス材料のミクロ構造としては世界最高レベルの精度でモデル化した。

サイバー空間で実在の材料の複雑なミクロ構造を取り扱えるようになることで、材料を合成する際の構造制御モデルの高精度化やこれまで不明であった機能発現のカギとなるミクロ構造部の「見える化」が数年以内に実現すると予想される。

山本准教授らは「省力で高速な解析により研究者へのフィードバックが容易になるため、カーボンニュートラルに向けて求められる、よりエコな製造プロセスの研究開発へも貢献することが期待できる」とコメントしている。