産業技術総合研究所と近畿大学、北里大学などのグループは共同で、地球的規模で減少が危惧されるサンゴ類への環境影響評価を可能にする新規の手法を確立した。オープンアクセス誌「サイエンティフィック・リポーツ」に5日付で紹介されている。
日焼け止め成分がサンゴに悪影響を及ぼすとの報告がされており、日焼け止め成分がサンゴに与える影響を迅速かつ簡単に評価する手法の確立が求められている。
研究では、微細試料の分析が可能な新たな代謝解析プラットフォーム「PiTMaP」をサンゴポリプに適用した。その結果、たった1つのポリプから代謝プロファイルを取得できることを新たに見いだした。
確立した評価手法では、これまでの解析で必要であった前処理操作が一切不要。これまでの方法では前処理操作には1~2日程度の時間を要した。だが、今回の手法を用いると3分程度でサンゴポリプから内因性代謝物を解析することが可能となったという。