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北大研究Gが下⽔中の新型コロナウイルス濃度が医療機関での感染者数の指標になることを証明

北海道⼤学病院と札幌市下水道河川局の研究グループは、札幌市の下⽔中新型コロナウイルス濃度が、北⼤病院の新型コロナウイルス感染者数と⾼い相関を⽰すことを明らかにした。

新型コロナウイルス感染症の5類移⾏に伴う感染者の全数把握から定点把握への切り替えに加えて、ワクチン接種率の向上や病原性の低い変異株の流⾏により不顕性感染者や軽症者の割合が増えることが予想され、臨床検査のデータからは新型コロナウイルス流⾏状況の実態把握が難しくなることが懸念されている。

⼀⽅、下⽔中のウイルスを分析する下⽔疫学調査は、臨床検体に依存せずに集団レベルの感染状況を把握できるツールとして期待を集めているが、個別の医療機関における検査負荷等の予測に対する活⽤に関しては検証事例がなかった。

そこで研究グループは、2021年2⽉から今年2⽉にかけて2年間にわたり下⽔中ウイルス⾼感度検出技術である「EPISENS-s 法」により測定した札幌市の都市下⽔中新型コロナウイルス濃度と北海道⼤学病院の新規感染者数を解析。これらの間に⾼相関関係があることを証明した。下⽔疫学データは、医療機関での新型コロナウイルス感染者数を正確かつ迅速に推定するための情報として広く活⽤が期待される。

この研究は、北大病院感染制御部の⽯⿊信久部⻑と鏡 圭介薬剤師及び検査・輸⾎部の豊嶋崇徳教授、同⼤学⼤学院⼯学研究院の北島正章准教授、札幌市下⽔道河川局の研究グループにより行われた。

この研究結果は、7⽉25日公開のScience of the Total Environment誌にオンライン掲載された。