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パーキンソン病の新規オートファジー障害 東京慈恵医科大が初解明 治療薬開発に寄与

東京慈恵会医科大学の岡野ジェームス洋尚教授らの研究グループは、パーキンソン病モデル神経細胞において新規オートファジーが障害されることを世界で初めて解明した。さらにホルモン「エストロゲン」によるオートファジー活性化がパーキンソン病における神経細胞脆弱性を改善させることを示した。

パーキンソン病は、アルツハイマーに次いで2番目に多い神経変性疾患。エストロゲンはパーキンソン病の発症や進行抑止作用があることが複数の臨床研究で明らかにされているが、そのプロセスは解明されていない。

そこで研究では、エストロゲンが新規オートファジー促進効果を持つという既報告に注目。

研究では新規オートファジー障害がエストロゲンの投与によって改善することが分かった。さらに、パーキンソン病患者のATG5の発現を抑制したところ、ヒト由来神経細胞においてもエストロゲンによる新規オートファジーレスキュー効果が誘導されることが判明した。

研究グループは「研究成果をもとに、新規オートファジーの神経細胞における役割の解析や、他のパーキンソン病モデルにおける新規オートファジー障害の解析などの研究をさらに展開し、新たな治療薬開発を目指していく」とコメントしている。