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水素・アンモニア発電「脱炭素社会への貢献は限定的」 京大助教らが分析 2℃目標を達成すれば「エネルギー利用は最大1%程度」 

京都大学の大城賢助教らは、水素やアンモニア発電の役割について分析した。世界の発電に占めるこれらの割合は最大でも1%ほどに留まることを示した。だが、費用が大きく低下すれば、世界の火力発電の過半数で利用されるという。4日付の英学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」のオンライン版に掲載された。

研究グループは、水素などの費用が大きく低下する場合や炭素回収貯留(CCS)など他の火力発電からの排出抑制策を制限した場合など、多様な条件のもとで2050年までのシミュレーションを行った。

その結果、パリ協定で目標としている産業革命以前と比べて平均気温の上昇幅を2℃より低く抑えられれば、火力による発電量は減少し、水素やアンモニアが世界の発電量に占める割合は1%にとどまると分かった。

また、水素価格が大きく低下した場合、世界の火力発電設備の約半数が水素混燃設備付きとなる可能性が示唆されている。だが、混燃率が高くなるほど二酸化炭素(CO₂)排出費用は低下する一方で、燃料費は増加するため費用面での利点は少ないと判明している。

大城助教らは「今回の分析は世界全域が対象であり、地域固有の特性やエネルギー安全保障リスクは考慮していないため、これらを考慮した分析も今後重要となると考えられる」とコメントしている。