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動物の大脳から小脳までをイメージングする手法「NIRE法」 東京理科大と東海大の研究Gが開発 6カ月以上の観察は世界初 

東京理科⼤学の髙橋泰伽助教らの研究グループは、東海⼤学と共同で極めて薄い「⾼分⼦ナノ薄膜」と光照射によって状態変化する「光硬化性樹脂」を⽤いた透明な素材で頭蓋⾻を代替する⼿法「NIRE法」を開発した。マウスの⼤脳⽪質から⼩脳までの神経細胞を6カ⽉に渡って観察することに世界で初めて成功している。

この⼿法の特徴は脳組織と⽣体に害のある物質の接触を防ぐ保護膜としてナノ薄膜を利⽤することだ。液体から固体へ状態変化をする特性を持った光硬化性樹脂を観察窓の素材として活⽤できる。

これにより、⼩脳などの複雑な曲⾯を持つ領域を観察対象とする場合においても脳組織を圧迫することなく、フィットした観察窓の作成が可能となっている。

実際にNIRE法で作成した観察窓を通じてイメージングを⾏った結果、1匹のマウスでミクロな神経細胞のスパイン構造からマクロな神経細胞群まで観察することに成功した。⼤ 脳 ⽪ 質 か ら ⼩ 脳 ま で の領域の神経細胞の形態を、半年以上の⻑期に渡って経時的に観察することに世界に先駆けて成功している。

高橋助教らは「これまで観察できなかった複数の脳領域の同時計測を実現し、⾼次脳機能の解明や複数の脳領域が発症に関与する精神神経疾患の機序解明に貢献できる」と評している。