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「概日時計」と「発生時計」に必要な遺伝子 都医学総合研研究員らが発見 体内時計のずれを調節する技術に貢献

東京都医学総合研究所(TMiMS)の廣木進吾研究員らは、24時間を計る「概日時計」と8時間を計る「発生時計」という2つの体内時計に共通して必要な遺伝子「nhr-23」を発見した。体内時計の歯車のずれを調節する技術につながりそうだ。

研究チームは公的データベースから体内時計が不明瞭であった線虫に関する情報を取得。解析することで遺伝子nhr-23が概日時計の構成要因であると推測した。薬を与えた時のみ標的たんぱく質を分解する手法を用いて、実際にこの遺伝子が概日リズムを生み出すことに必須と発見した。

nhr-23は人やマウスの遺伝子Rorに相当し、脱皮サイクルを生み出すのに不可欠であると知られる。「8時間」「24時間」という異なるタイマーの両方に必要な部品であることを示しているという。

廣木研究員らは「生物がさまざまな周期をカウントする仕組みの理解に繋がり、将来、体内時計を自在に操作することが可能になると期待される」とコメントしている。

研究の概要