新潟大学と森林研究所のグループは、スギ雄性不稔遺伝⼦MS5に起因する無花粉スギの花粉崩壊の過程は他の遺伝子によるプロセスとは明確に異なることを発見した。無花粉スギの効率的な品種改良に貢献すると期待されている。
これまで遺伝子MS1〜4による無花粉スギについては花粉崩壊過程の顕微鏡による観察が⾏われていたが、最近発⾒されたMS5が要因となる無花粉スギについては研究が⾏われていなかった。今回、顕微鏡観察を行った。
その結果、MS5の無花粉スギでは、異常な四分⼦や不そろいな⼩胞⼦の維持、異常な花粉壁の形成、核の消失と⼆核⼩胞⼦期における核の中央配置、無定形物質の出現などの特徴が⾒られた。これらはMS1〜4に起因する無花粉スギとは異なっていた。
研究グループは今後について「まだ特定されていない雄性不稔遺伝⼦の同定や無花粉スギの効率的な品種改良に貢献することを⽬指す」と目標を定めている。