大阪大学と資生堂は共同研究で、皮膚の毛細血管はスキンケアを含む生活習慣などの影響を受けることを発見した。
肌状態は毛細血管と密接に関わっていると考えられているが、これらは遺伝要因と生活習慣などの環境要因が複雑に絡み合うため未解明のことが多くある。研究では一卵性のふたごを対象にすることで、遺伝でなく生活習慣などの環境要因が肌に及ぼしている影響を明らかにすることを目的とした。
ふたご登録者の中から、一定の基準で募集した被験者を対象に血管を解析した。その結果、生まれつきの影響がほぼ同じであるふたごであっても、皮膚の血管状態は異なっていることが明らかになった。これにより、皮膚の毛細血管はスキンケアを含む生活習慣などの影響を受けていることが分かっている。
さらに毛細血管と肌状態の関連性を調べた。それによると、ふたごのペアで毛細血管が多い群はコラーゲン密度と酸素飽和度が高い結果を得た。このことから、スキンケアを含む
生活習慣などの影響で生じる毛細血管の変化が、コラーゲンや高い酸素飽和度と連動している可能性があると考えられている。
研究グループは「皮膚の毛細血管は生活習慣などの影響を受けること、また、皮膚の毛細血管が適度に多い状態であれば、肌内部のコラーゲン密度や酸素飽和度も良好な状態であることを発見した」としている。