岡山大学と沖縄県病害虫防除技術センターの研究グループは、サツマイモの害虫「イモゾウムシ」が、卵を苗が地面と接している部分に産み付ける習性があることを世界で初めて発見した。不妊化法の効率的実施に貢献する知見である。
イモゾウムシが定着した地域から根絶することは困難であり、その理由として本種の行動や生態がほとんど未解明であることが要因の1つとされてきた。
研究グループはイモゾウムシの成虫5匹を、雌雄別あるいは雌雄一緒にサツマイモの苗(8本での繰り返し実験)に放ち、4時間おきに48時間、苗のどの部分に分布するのか調べた。
その結果、夜間はとくにメスが苗から移動して苗から離れること、昼間は雌雄とも節に滞在し、夜間は節で交尾を含むマウント行動が見られ、卵は地際部の苗に産み付ける習性があることを世界で初めて発見した。
岡山大の宮竹貴久教授は「害虫を防除するとき、防除したい害虫の行動や生態を調べておく基礎的な研究はとても大切」と指摘。「根絶作戦が進展し、サツマイモ産地の役にたてば嬉しい」としている。