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細胞外小胞の新規単離法「EV-CaRiS」 京大研究Gが開発 3分の1の時間で3倍の成果

京都大学の河野健一助教ら研究グループは、pH制御による細胞外小胞(EV)の新規単離法「EV-CaRiS」を開発した。26日付の米学術誌に掲載されている。高価な装置を必要としない細胞外小胞のキャッチアンドリリース単離法。既存手法と比べて3分の1の時間で、3倍の成果を得ることができた。

EVは細胞から分泌される負電荷を帯びた直径50~200ナノメートル未満の高度な曲率を有する脂質微粒子。重要な遺伝子やたんぱく質を内包しているため、生物・医学的研究において重要な標的となっている。

EV-CaRiSは、溶液のpHに応じて電荷が反転する曲率認識ペプチド(NIC)を用いた EVの取り出し法。

研究グループは実験で、3種類のヒト細胞株からEV単離に成功した。既存手法の超遠心分離法と比べても3分の1以下の時間で3倍多く得られた。離れたEVは元来有する免疫活性や抗がん活性を示すことが確認され、新たなEV単離法の有用性を実証できた。

河野助教は「今後も本技術を活かしてEVの機能解明や応用に向けて研究を展開していきたいと思う」とコメントしている。