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ヒト胚着床現象を高度に模倣 東北大研究Gが世界初成功 着床機序の解明や不妊治療法の開発に期待

■研究発表のポイント

◎ヒト胚着床を培養皿上で再現できる胎児-母体アセンブロイドを創出し、ヒト胚着床機序を解明するためのプラットフォームを作製

◎このプラットフォームを用いて、着床過程の各段階を再現することに成 功し、胎盤の細胞と母体の細胞が融合し得ることを世界で初めて示した

◎着床不全、周産期疾患、子宮内膜症や子宮体癌の病態解明や予防法・治療法の開発への応用が期待される

着床は妊娠成立で最初の重要なステップだが、ヒト着床機序を研究するための適切なモデルはこれまでなかった。東北大学大学院医学系研究科情報遺伝学分野と周産期医学分野、熊本大学発生医学研究所胎盤発生分野、東京大学定量生命科学研究所大規模生命情報解析研究分野、東京医科歯科大学生体材料工学研究所診断治療システム医工学分野らの研究グループは、ヒト子宮内膜細胞を用いて生体子宮内膜組織と空間的配置や構成細胞が類似した子宮内膜オルガノイドモデルの作製に成功した。

また、このモデルとヒト胚性幹(ES)細胞を用いて、胚着床を培養皿上で再現する胎児-母体アセンブロイドを世界で初めて作成し、着床の各段階を再現することにも成功。さらに、ヒト胚から派生する胎盤細胞と子宮内膜間質細胞が融合することを確認し、着床過程で胎盤の細胞と母体の細胞が融合し得ることを世界で初めて示した。

この研究成果は、着床の瞬間を視覚化する新たなモデルとして、着床機序の解明や不妊治療法の開発のための有用なプラットフォームとなることが期待される。研究成果は科学誌「Science Advances」に掲載された。