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時間変化する円偏光スペクトル 京大国際共同研究Gが生成と読み出しに成功 光記録や偽造防止技術への円偏光利用に期待

京都大学大学院エネルギー科学研究科の岡﨑豊助教らは、フランス・ボルドー大学教授との国際共同研究で、時間変化する円偏光スペクトルの生成とその読み出しに成功した。発光機構を活用してつくり出す円偏光には、光強度(明るさ)、波形(色)、偏光情報(右or左巻き)に加えて、発光寿命に基づく時間情報が含まれる。これらのパラメータを自在に制御する光情報多重化技術は、光記録や偽造防止技術として注目を集めている。しかし、既存の方法では各パラメータを独立に制御することは困難であり、各パラメータの自在制御を可能にする材料 設計のための新たなアプローチが切望されている。

岡﨑助教ら国際共同研究グループは、発光寿命が異なる2種類の直線偏光発光(LPL)フィルムと位相差フィルムを積層した「多層型発光式円偏光コンバータ」を作製。パルス励起光の照射で生成される円偏光スペクトルの時間変化を検出することにより、時間多重化された円偏光情報の読み出しに成功した。得られた結果は、光記録や偽造防止技術への貢献が期待される。

この研究成果は、英国の国際学術誌「Materials Advances」にオンライン掲載された。