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Beyond5Gに向けた新規デジタル位相同期回路 東工大教授らが開発 低スプリアスと低ジッタを同時に実現 

東京工業大学の岡田健一教授らの研究グループは、不要な信号「低スプリアス」と信号のタイミングがゆらぐ「低ジッタ」を同時に実現する新方式のデジタル位相同期回路(PLL)の開発に成功した。このPLLは小型で低消費電力、低位相雑音を重視するBeyond5G機器向けの集積回路への応用が期待されている。

無線通信機器などで広く用いられる分数分周PLLは、出力信号に分周スプリアスが発生するため、これを抑制する必要がある。誤差を拡散させる「ディザリング」と呼ばれる方法ではスプリアスは除去できるが、ジッタが増加するという課題があった。

研究ではスプリアスが発生する周波数を帯域外の高周波にシフトし、除去するという新たな手法によりこれを解決した。

開発したPLLを最小の配線半ピッチ65ナノメートルのシリコンCMOSプロセスで試作した。その結果、スプリアスの低減により10キロヘルツ~10メガヘルツの範囲で積分したジッタとして143.7 fsを実現した。

消費電力は8.89メガワットであり、デジタル非線形補償(DPD)を用いることなく、分周スプリアス-60dBcを達成したデジタルPLLの中で、最高のFoMを達成した。

研究グループは「さらなる高性能なPLLを実現するアーキテクチャや回路を探求するとともに、Beyond5G無線通信機やレーダーなど実際のアプリケーションでの効果も実証していく」とコメントしている。