東京大学の村上健太郎教授らの研究グループは、日本人が栄養や食事に関する情報を得ているメディアからを世界で初めて明らかにした。日常的に使われている媒体は「テレビ」が最大の3割強であった。栄養や食事に関する情報をどのように発信すればよいかを議論する根拠となることが期待されている。
研究は2023年2~3月にオンラインアンケートに参加した20~79歳の日本人5998人が対象。10種類のメディアについて、どの媒体から栄養や食事についての情報を得ているか回答を得ている。
栄養や食事についての情報を得るときに情報源として用いている媒体を問うと、「テレビ」が32.9%で最多。「ウェブ検索」22.2%、「特定のウェブサイト」16.6%と続いていた。一方で、利用されていないものは「自治体のニュースレター」「ラジオ」「SNS」であった。
情報源に関する視聴者の特性を調べたところ、どの情報源を用いてもヘルスリテラシーとは関係があった。また、フードリテラシーとの関連性は「テレビ」の利用者はリテラシーが低いことと関連した一方、「特定のウェブサイト」と「本や雑誌」、「動画サイト」では高かった。
研究グループは「研究において最も懸念される知見は、2つの主要な情報源(テレビとウェブ検索)の利用とフードリテラシー及び食事内容の質との間に正の関連が観察されなかったこと」と指摘している。