大阪公立大学の牧岡省吾教授らは直前に判断がその後に影響を与える「系列依存性」のメカニズムを明らかにするための心理実験を行った。その結果、直前に研究で使われた画面に表示された点の数を回答するかどうかが、系列依存性に強い影響を与えることが明らかになっている。
分析では8~32個の点を画面上に提示し、参加者が点の数を推測して回答した。結果、前の試行で数を回答することが系列依存性の強さを大きくすることが立証された。一方、刺激を見るだけでも系列依存性が生じることが分かっている。
結果を踏まえて、研究グループは「『個数を比較すること』と『個数を推測して数字として答えること』の仕組みに違いがあることが判明したため、数字として答える場合には、反応を生成する部分に近い、より高次なメカニズムが働くと考えられる」と説明。
今後について「系列依存性が生じるメカニズム、数に関する処理のメカニズムなどを詳細に解明することで、ヒューマンエラーを防ぐためのより明確な指針の提供を目指す」としている。