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AIによるMRI画像で子宮頸がんの予後予測 広島大研究Gが成功 人工知能による撮影負担軽減に期待 

広島大学の河原大輔助教らの研究グループは、医療に特化した生成人工知能(AI)技術を開発した。AIがMRI画像の生成を行い、画像を使用して数秒で子宮頸がん患者の治療効果を高確率で予測することに成功した。今後、人工知能が撮影の負担を減らし、高精度な予後予測が可能になるかもしれない。

研究では医用画像における迅速な画像生成モデルをAIで構築し、生成した治療前画像を使用して放射線治療の予後を予測可能か検証した。そうすることで、病変部分の画像特徴が予後を表現できるかを分析している。

その結果、生成された画像は目標としている画像精度に非常に近いことが分かった。生成画像を使用して放射線治療後の局所制御予測を行うと、MRIの「T1強調画像」は75%、「T2強調画像」で82%の正確性であった。T1とT2強調画像を組み合わせると90%以上の精度を示していた。

研究グループは「医用画像生成が実現できれば撮影の負担を低減でき、さらに複数の画像を生成し組み合わせることで高精度な予後予測が可能となる」とし「今後は予後予測以外にも病変診断、治療計画などさまざまに活用が可能であり、シームレスかつ多様な医療貢献が期待できる」としている。

入力画像として特定のMRI画像、さらに生成AI
により生成した画像と目標となる画像。目標画像と
生成画像が良好に一致していることがわかる