新潟大学の研究グループは、白いまゆ由来のたんぱく質「セリシン」ではX線照射による細胞ダメージの緩和効果は⾒られなかったが、フラボノイドを豊富に含む緑のまゆ由来セリシンは照射による細胞障害を軽減したと発表した。
研究グループは、がんの放射線治療で副次的に⽣じる照射性の⽪膚障害を低減するための看護ケア⽅法を開発している。研究では人の角化細胞「ヒトケラチノサイト」を⽤いて照射によるダメージ軽減効果について、細胞内に存在する酵素を使った指標にして検討した。照射後の細胞における活性酸素種と脂質過酸化のレベルも測定している。
その結果、緑のまゆ由来セリシンが照射による細胞へのダメージを緩和する効果があることを⽰唆しており、放射線治療による⽪膚ダメージを軽減し、がん患者のケアに新たな道を開く可能性を⽰したとしている。
研究グループは今後について、「独⾃の緑まゆセリシンシートを開発しており、これを⽤いたケアをすることで照射性⽪膚障害の軽減になり、患者さんが放射線治療を前向きに受けられることが期待される」とコメントしている。