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根治切除不能な進行・再発の上皮系皮膚悪性腫瘍 慶應大病院など8施設共同研究で治療法の治験で有効性示す 

慶應義塾大学病院を拠点として、東北大病院や新潟県立がんセンター新潟病院など8施設で行われた共同治験「上皮系皮膚悪性腫瘍に対する抗PD-1抗体療法の医師主導による多施設共同第Ⅱ相臨床試験」で、主要評価項目である中央判定による奏効率で有効性が示された。同腫瘍を対象とした治験は国内初の試み。「薬事承認に至ったことは大きな一歩だ」と評されている。

上皮系皮膚悪性腫瘍は、上皮系腫瘍として系統別分類される皮膚がんの総称だ。有棘細胞がん、基底細胞がん、乳房外パジェット病などが含まれる。国内で根治切除不能な進行の上皮系皮膚悪性腫瘍に対する標準治療はいまだ確立されていないため、薬剤の開発が切望されていた。

治験の対象は根治切除不能な進行・再発の同腫瘍の患者で、オプジーボ480ミリグラムを4週間間隔で投与した。2019年7月から開始された治験には、約2年間で31人の患者が参加し、主要評価項目の全体の中央判定)で有効性が示された。

研究グループは、「オプジーボはこれまでに有効な治療法がなかった上皮系皮膚悪性腫瘍の患者さんにとって画期的な治療法になる可能性があり、希少疾病用医薬品の指定の基に薬事承認に至ったことは大きな一歩だ」と評価している。