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粘土鉱物と金属イオンの吸着傾向 原子力機構など4機関が解明 農業の効率向上に貢献

日本原子力研究開発機構など4機関からなる研究グループは、粘土鉱物が金属イオンを吸着する分子レベルのはたらきで、水に溶けにくく半径が大きいイオンが粘土鉱物に強く吸着するという傾向を見いだした。この傾向が天然環境の土壌中でも成り立つことを示している。土を扱う農業の効率向上などに貢献できるという。

金属イオンと粘土鉱物の吸着反応は複雑だ。例えば、レアアースを含む一部の金属イオンは粘土鉱物に吸着後、簡単に脱離する一方で、セシウムなどの金属イオンは粘土鉱物に一度吸着すると簡単には脱離しない。なぜこのように金属イオンの種類によって異なる現象が見られるのかは未解明であった。

研究では放射光施設を用いた分子レベルの実験とスーパーコンピューターを用いた高精度なシミュレーションを組み合わせ、粘土鉱物に吸着した金属イオンの構造を分子レベルで解明した。

この結果、水に溶けにくく大きいイオンを粘土鉱物が強く吸着する傾向が明らかになった。ボーリングで採取した土壌試料を分析したところさまざまな金属イオンが、実験とシミュレーションから得られた傾向に沿って分布していることを確認している。

研究グループは「放射性元素以外にもレアアースの効率的な鉱床探査、農業の効率化、太陽系惑星の環境の推定など、社会的に重要な課題の解決へつながる」とした。