慶應義塾大学とツムラの研究チームは、冷え症が一様な疾患や状態ではないことを研究で示した。症状の原因となる可能性のある遺伝子「KCNK2」「TRPM2」を発見している。また、漢方が冷え症に有効であるメカニズムの解明にも意義を持ちそうだ。
冷え症は、腰や手足などを冷たく感じ、痛みなどを伴うことが知られている状態を指し、女性に多いとされる。研究によると、調査に参加した女性1111人のうち512人は自覚しておらず、599人が実感していた。
研究の結果、遺伝子KCNK2とTRPM2の発現量が冷え症に関連していると分かった。この成果をさらに大規模に検証することで、冷えと冷え症の遺伝的基盤の解明につながるという。
両者は「漢方薬が冷え症に有効であるメカニズムの解明にも重要な意義をもっている」と説明している。また、今回の研究成果をもとに冷え性判定方法、及び冷え症タイプ判定方法についての特許出願も行ったという。