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「ウレミックトキシン」が血液透析患者の〝かゆみ〟と関連 カルシウム、リン、副甲状腺ホルモンは関係なし(新潟大研究G)

新潟⼤学の⼭本卓病院教授らの研究グループは、腎代替療法「⾎液透析」を行う患者ではかゆみの合併が多く、たんぱく結合性の⾼い「ウレミックトキシン(PBUT)」と関連することが明らかになったと発表した。また、過去に関連が示されたカルシウムなどはそうでないと判明している。

これまで透析患者のかゆみとPBUTの関連については報告がなかった。そこで、研究グループは⾎液透析患者のかゆみの詳細とそれに関連する因⼦について調査した。

研究では2017~18年に、新潟県の透析施設に通う⾎液透析患者135人を調査した。

⾎液透析患者のかゆみの程度を評価すると、38%の患者がかゆみを有した。かゆみの分布は「背中」が最多で、「お腹」「すね」と続いた。

PBUTスコアを作成したところかゆみを有する患者群が、そうでない人たちと比較して、高値であり、かゆみと関連があることが示されている。一方で、過去に関連が示されたβ2-ミクログロブリンやカルシウム、リン、副甲状腺ホルモンとかゆみの関連はなかった。

山本病院教授は「今後は縦断研究を行いPBUTとかゆみの変化を観察する必要がある」と説明している。