⻑崎⼤学と東京⼤学は、将来的に気候変動に伴う死亡率の季節性が変化する可能性があることを示した。温暖化に伴って、「温帯地域」と「大陸性気候帯」、「乾燥気候帯」で死亡率が上昇すると推測されている。
温暖化が進む中で気温の上昇により寒冷な季節の死亡率が低下する⼀⽅、温暖な時期では増加している。その結果として、死亡率の季節性が変わる可能性があると推測されている。研究は異なる気候帯にわたる死亡率の季節性の将来予測を行うことを目的とした。
研究では平均気温と死亡者数のデータを共同研究ネットワークを通じて収集。43カ国の1969~2020年の1億人超の死亡データを「温帯地域」「大陸性気候帯」「乾燥気候帯」「熱帯地帯」の4つの気候ごとに分類した。
それによると、「温帯地域」「⼤陸性気候帯」「乾燥気候帯」において、2000年代~2090年代にかけて温暖な季節における死亡率は増加し、寒冷な時期における割合は減少すると予測された。だが、寒冷な季節における死亡率は⾼い⽔準を維持すると研究チームのシナリオ上では推察されている。
研究チームは「特に温帯地域、⼤陸性気候帯、乾燥気候帯においては、夏の暑熱による死亡者数のピークと冬の寒さによる死亡者数のピークの双⽅の医療需要に対応することが求められるようになる可能性を⽰唆している」と指摘している。