文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
60度で1000時間以上発電 NIMSがペロブスカイト太陽電池開発 実用化に向けて大きく進歩

物質・材料研究機構(NIMS)は太陽光に対して20%以上の光電変換効率を維持しながら、60度の高温大気下で1000時間以上の連続発電に耐えるペロブスカイト太陽電池を開発した。ペロブスカイト太陽電池が研究室レベルから屋外設置の実用化レベルに大きく前進したという。

国土面積の小さい日本で化石燃料を太陽光発電で代替するためには、コストが安く加工もしやすい、高い発電効率の太陽電池が求められている。この観点からペロブスカイト太陽電池は有望だが、耐久性は強くないため数10年間安定に発電し続けることが課題となっている。表面温度が50~85度となる屋外で高温環境下の耐久力が求められる。

研究では、ペロブスカイト表面との相互作用の強さ、2Dペロブスカイト結晶粒の形成しやすさ、2D結晶粒のサイズなどに依存して、PZDIの2D結晶粒が界面に導入されるとより高い発電効率とより高い耐久性を示すことが分かった。

今回、太陽光に対して2割以上の発電効率を維持しながら、60度の高温雰囲気下で1000 時間以上の連続発電に耐えるペロブスカイト太陽電池を開発することに成功している。

研究グループは「今後、ペロブスカイト太陽電池の高効率化とともに高耐久化のための屋内や屋外試験を行いながら、長期信頼性を保証するための加速試験の確立を進める」と力を込める。