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高い安定性と反応性を両立する金ナノ粒子 東大などの研究G開発 材料開発への応用に期待

東京大学の鈴木康介准教授らのグループは、東京都立大学と物質・材料研究機構と共同で研究を実施。ナノメートルサイズの化合物「金属酸化物ナノクラスター」で保護することで、高い安定性と触媒活性を両立した金の微粒子「金ナノ粒子」の開発に成功した。さまざまな機器の材料開発への応用が期待されるという。英国学術誌に7日付で掲載されている。

従来の水溶液中の合成法でも、金属酸化物ナノクラスターで保護された金ナノ粒子を合成できるが、得られた金ナノ粒子は触媒反応を行う条件において安定性が低いことが問題であった。

今回、金ナノ粒子の合成には、水と有機触媒「トルエン」が混ざらない溶媒として用いる2相系システムを用いた。金イオンと金属酸化物ナノクラスターを水に溶かした後、金イオンなどをトルエンに移す相間移動剤を加えてこれら移動させた。この溶液に還元剤を加えて、金属酸化物ナノクラスターで保護された金ナノ粒子を合成することに成功した。

完成した金ナノ粒子は、溶液中で1年経過しても大きさが変わらず安定であることが特徴。塩基の添加や加熱などの触媒反応を行う条件でも安定している。

鈴木准教授らは「研究で開発した高い安定性と活性を両立した金ナノ粒子触媒を利用することにより、環境負荷を低減した反応条件で、医薬品や機能性材料などの化学品の合成が可能になる」と評価している。

研究の概要