北海道大学と名古屋大学、化学メーカー「レゾナック」との共同研究により、甲殻類と植物から水溶性オリゴ糖を選択的に合成する方法を確立し、それらの混合物を植物に与えることで成長や免疫力を促進できることを発見。オリゴ糖から生物を刺激する「バイオスティミュラント資材」を開発している。
陸上で最も豊富なバイオマス「セルロース」や甲殻類成分「キチン」由来のオリゴ糖が植物の生育促進や免疫力向上に作用する可能性は示唆されてきたが、その効果や作用機序の詳細は明らかになっていなかった。
北大はセルロースとキチンからオリゴ糖を選択的に合成することに成功。その窒素栄養獲得効率を上げることで、植物の成長を促進する可能性が示された。そして名大の研究により、オリゴ糖混合物の処理が植物の地上と下部の成長促進や病原菌への抵抗性を向上させる効果があると判明している。
3者は「研究成果をもとに開発されたバイオスティミュラント資材は、植物が本来持っている成長力や免疫力を活性化する効果がある」とし「この資材の有効成分は、自然界に広く分布する物質であるため、バイオスティミュラント資材の農業利用は環境負荷がほとんどない」と評価している。