長崎大学と理研食品及び理化学研究所は、海藻類が炭素を吸収する「ブルーカーボン効果」に関する研究で福島国際研究教育機構(F-REI)が公募した委託事業に採択され、先月26日付で委託契約を締結した。
日本では多くの海藻が食用として利用されており、海藻養殖は全国で行われている。だが、国内の養殖は小規模な経営体に支えられており、バイオマス資源など食以外の分野で必要とされる大規模生産に対応した品種や種苗生産技術、養殖技術は存在しない。
そこで研究事業では、高いバイオマス収量が期待できる1年生マコンブと福島県が全国有数の養殖産地である「ヒトエグサ」について、大規模養殖生産技術を開発する。同時に、同県沿岸で実証実験を行い、将来の産業化に向けた課題を評価するという。
3者は「それらの養殖によるCO₂固定量を定量評価し、大規模養殖によるブルーカーボン効果のポテンシャルを試算する」とし「さらに、その定量方法を国際的な測定基準のひとつとして確立し、国内外で広く活用されることを目指す」と説明している。