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IoT国際無線通信規格「Wi-SUN FAN」搭載の無線機1万台 通信試験に世界初成功 (京大×NICT)

京都大学と情報通信研究機構(NICT)は、仮想空間上で電波利用システムを評価するワイヤレスエミュレータを用いて、IoT用国際無線通信規格「Wi-SUN FAN」を搭載した1万台の無線機によるマルチホップを利用した通信試験に世界で初めて成功した。

センサーやメーター、モニターなどに通信機能を搭載し、都市環境における課題を解決するスマートシティと呼ばれる大規模IoTシステムが検討されている。実現のためには、屋外で高品質かつ建物による遮蔽(しゃへい)に対する耐障害性に優れた無線通信ネットワークが必要だ。Wi-SUN FANはそれらを実現する規格の1つ。

大都市を網羅するシステム実現のためには、1000台を超える無線機で自律的にネットワークを構築してシステム全体での検証が必要となる。だが、現在の環境では無線機数や設置場所の制限のため具体化が困難であった。

NICTと総務省はその問題を解決するためのエミュレーターを作成。通信試験を実施した。試験からは「計算機シミュレーションで得られた結果を適用して表示可能な表示機能の開発」など4つの成果を得ている。

両者は今後について「今回の成果で確立したWi-SUN FAN仮想無線機に、仮想空間で計算した伝搬模擬データの取り込みを行い、より現実空間に近い条件での大規模通信ネットワークの構築、維持、安定した通信の実現に向けて研究開発を進めていく」と抱負を述べた。