情報通信研究機構(NICT)は、片道約3.9キロメートルの屈曲した沢筋で、従来より遠くに電波を飛ばせる「169メガヘルツ帯電波」を接続する技術を初めて使用し、安全にドローンを制御することに成功した。山中などでの災害調査などに役立つことが期待されている。
NICTはこれまで、信号の通過が困難な場所を飛行するドローンに対し、中継用ドローンを経由した169メガヘルツ帯電波で通信接続する「マルチホップ中継制御通信技術(コマンドホッパー)」の開発を進めてきた。
実験では山中の砂防えん堤の点検を想定した経路で、コマンドホッパーを初めて使い安全にドローンを使うことに成功している。
NICTは今後について「169メガヘルツ帯電波はさらに長距離で通信できるポテンシャルを持っているため、山中のみならず、海上や災害現場での設備点検、捜索、災害調査、物流などにおけるドローンの実用化を目指す」と意気込んだ。