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深海で生分解性プラ分解 東大など6機関が世界初確認 世界的な海洋汚染問題の解決に貢献

東京大学など6機関は三崎沖や初島沖、南島沖など5つの深海でも生分解性プラスチックが微生物により分解されることを世界で初めて明らかにした。分解が実証された生分解性プラスチックは、どの海域においても分解されると考えられ、世界的なプラスチック海洋汚染問題の解決に貢献するという。

「海洋プラスチックごみが最終的に行き着く深海環境で生分解性プラスチックが本当に分解されるのか」―。生分解性プラスチックを分解できる微生物が深海に存在しているのかは、これまで誰も証明していなかった。

研究では生分解性プラスチックと汎用プラスチックを深海に3~14カ月設置。それらの解析を行った。

プラスチックを引き上げ、フィルムや重量、厚みの変化、表面に付着した微生物を調べた。その結果、汎用プラスチックとポリ乳酸は分解されないのに対し、他の生分解性ポリエステルと多糖類エステル誘導体は解体されることが分かった。

深海と岸壁の分解速度を比較すると、岸壁の分解速度に対して水深1000メートルでは5~10分の1、5000メートルでは約20分の1の速度だった。深くなることによる水圧や水温などの環境変化に加え、微生物の存在量や多様性が減少するために起こると考えられている。

走査型電子顕微鏡で深海のプラスチック表面を確認すると、汎用プラスチックとポリ乳酸はほとんど微生物が付着していなかったのに対し、生分解性プラスチック表面にはびっしりと微生物が付いていた。

6機関の研究グループ「海洋流出の避けられない製品などには、生分解性プラスチックを適切に使用することが必要不可欠」と指摘。「可能な限り速やかに分解する海洋分解開始機能を有する高性能な海洋生分解性プラスチックの開発が期待される」とコメントしている。