川崎医科大学の神田英一郎学長付特任教授らのグループは、医学用語のバーチャル空間をAIで構築した。空間内の医学用語ネットワークを検証したことで、慢性腎臓病(CKD)患者を「文章のように扱うことができること」を世界で初めて証明し、CKDの進行を正確かつ容易に予測できるシステムと予後指標を開発した。
研究グループは約16万5000本の論文を解析し、医学用語ネットワークを構築した。その中の関係性を手作業で確認し、AIの解析が医学的な意義とベクトルとしての計算の両方を担保していることを明らかにした。
そして、ネットワークと現実のCKD患者約2万6000人の関係を最新数学の圏論(けんろん)で確認。この活用は、データサイエンスや認知科学で注目されているが、臨床研究系分野では世界初の試みだ。これにより、論文の医学概念と実際の患者データが高い精度で一致していることが示されたという。