東京大学と理化学研究所、東北大学の共同研究グループは、構造学的、生化学的解析からオープンリーディングフレーム「AUG-stop配列」を介した植物のホウ素に応答した翻訳開始制御の新しい仕組みを明らかにした。
これまで知られていなかった「80Sリボソーム複合体」がメッセンジャーRNA(mRNA)上を滑って移動するプロセスが翻訳制御に重要であることが明らかになった。また、翻訳を通じた植物の無機栄養の欠乏に対する反応の分子機構が初めて発見したという。
研究グループは「この翻訳制御は植物の栄養吸収を担う遺伝子を栄養条件に応じて厳密に発現させるために不可欠な仕組みであり、この仕組みを人為的に変化させることによって、植物の栄養吸収能力を高めたり、栄養をあまり必要としない作物の開発につながる可能性がある」としている。